今年の春大学を卒業する娘と大学に入学する末息子と3人で、スペイン、バルセロナに家族旅行に来ている。娘とはヨーロッパ旅行以来10年ぶり、息子とはアジアの貧しさを肌身で感じるフィリピン以来4年ぶりの海外旅行である。
子ども達には、彼ら自身が大変だった時期に、食事も作れず、苦労を大変かけた一年であった詫びの気持ちもあった。
公用ではなかなか搭乗出来ない、世界一と称されるエミレーツに乗り、ドバイ経由バルセロナに19時間かけて、漸く到着した。
一番嬉しかったのは、彼らの成長ぶりであった。持病の腰痛で両足に電気がとおるように痺れ、もつれ、よろける足では、スーツケースは重く大きなものは持てない。
それを見越すように、息子は、自分の洗濯物を最小限にとどめるために、自分で用意した圧縮袋、自分のを出来る限り、コンパクトにして、私の私物を持ってくれるという。
私が出張や時間に追われ、食事も作れず、充分にお金を渡してない時、彼は、全国チエーンのとんかつ屋でバイトし、食料を確保、それが出来ない予備校時代は、お代わりのご飯タダという店で、朝昼兼用の時間に行き、腹を満たしていたという。
知らない、事実を、この旅で知り、頭が下がる思いになる。
春からは難関とも言われる、薬学専門のH大学で勉強し、ひきこもりを含め、難病で悩む人々の薬を開発したいと意気込んでいる。優しさが自慢の息子である。英語の苦手な私より、完全に彼の方が優れている。どこで、いつ身に着けたか謎である。
娘は、高校時代からライフル射撃に没頭し、六大学のH大学に入学し、大学リーグの2部から1部に昇格させ、4年時には、インカレで日本一に輝いたが自分では自慢しない。
本人の目指すところはオリンピックであるが、日本で産業界はアマチアを支援する企業は少ない、さらに、日本ではマイナーなライフルなんて、目もくれない。
娘は運動選手の特別枠でなく、大手生保会社に総合職で働くことになったが、オリンピック目指し、なんとか、親父としては支援して行きたいと考えている。
そんな、彼女、高校時代、その道では有名な顧問から、部活を休み、叱責を受けたことがある。顧問から、このままでは遊びに走り、不登校なる恐れがあると、いう丁重な手紙を頂き、娘に問うと、指導上の問題から部活に出ない子の相談に応じていたという。
その話を聞き、顧問と大喧嘩をしたことが懐かしく思い出される。
我が家の教育方針は3つ
実学に学ぶ(丸暗記など、嘘学は捨て、自分で考える能力を身につける)
自我自習(自分で考え、自分で学ぶ、他者に頼らない)
他人の痛みや苦しみを理解する。それらのことは無論本人の能力に応じてである。そして、親は徹底的に子どもを信じ、子どもを認める努力をしなければならない。
それらは人間関係の土台を形成すると、私は考えているからである。子どもの不満は洗濯、食事作り、相談でカバーしてきたつもりである。
自我自賛、子どものことを褒めたことは、初めてである。
この子ら以外にも、ふたりの上の子らも、人間的に私より人に優しい子になってくれている。
ありがとう、子ども達よ!
今夜帰国、バルセロナで書いたものをUPしました。